弊社で使っている出版企画書は大きく4つのパートに分かれます。
・企画概要
・プロフィール
・章立て・目次
・見本原稿
これらを合わせて出版企画書と呼んでいます。どれひとつ欠けても出版企画書にはなりません。
今回はそのうちの一つ、プロフィールのポイントをお伝え致します。
プロフィールならもうできています!
企画概要の前にプロフィールを作りました!
よく聞く声です。しかし、これらは大きな間違いです。
プロフィールは出版企画用に、それも企画概要ができてから仕上げるものなのです。
プロフィールの目的を考えればすぐわかることかもしれません。
出版企画書におけるプロフィールの目的は、「それを語るに相応しい人物であると証明すること」です。
つまり、読者が本を手に取ってプロフィールを読んだとき、
「この人の言葉なら信用できそうだ」
と思ってもらう必要があるのです。
実際、私も書店で本を買うとき以下の順番で本の内容を確認します。
・本のタイトルを見て手に取って、
・章立て。目次を見てニーズに合っているか確認し、
・著者プロフィールを読んで信頼に値する人か確認し、
・「はじめに」を読んで役立ちそうかを確認する。
だからこそ、プロフィールを読んで読者の方の心が止まらないよう、その道のプロである点、信頼に値する情報を持っている点をアピールするわけですね。
企画の筋である企画概要が出来てないのに、プロフィールは書けませんよね。
企画の切り口が完全に固まってから、その道のプロとして改めてプロフィールを書くのが正しい順番です。
もう一つ、普段BtoBで事業をされている方は注意して下さい。
プロフィールを書き換える際、読み手の立場を考えて書いて欲しいのです。
出版企画書のプロフィールを読むのは読者、つまり素人の方です。
あなたの商品の売り先である企業の経営者や人事担当者ではありません。
もちろん、本の内容や切り口によっては経営者や人事担当者の方が読者になることもあるでしょう。
ただし、ビジネスから外れた個人の立場として読む内容である場合、
あなたのプロフィールは個人に語り掛ける内容でなくてはなりません。
対企業用で用意したプロフィールのように、素晴らしい経歴や大きな実績ばかり並べ立ててもあまり効果ありません。
なぜなら読者が引いてしまうからです。
本当にあなたが伝えらければならないのは、「私もあなたと同じ悩みを持っていた。しかしそれを解決することができた」という共感を誘うメッセージです。
たとえばあなたが独立起業を勧める本を書く場合、起業一年目からうまくいった経験ではなく、むしろ「上手くいかず苦しんだ経験」を盛り込むのです。
才能にあふれて、これまですべてをうまくこなしてきたバラ色の著者からアレコレと言われても、おそらく読者の気持ちはこんな感じで反発するでしょう。
「それはあなただからできたんでしょ?」
読者となる方が抱える悩みで自分も苦しんだ経験をしっかり伝え、読者の方から共感を得る必要があるのです。
本は、内容よりも「誰が語っているのか?」という人の側面が重視されます。
現代は、あらゆる情報がネットの世界に転がっている時代です。
だからこそ読者の方は「誰が語っているのか?」という言わば信頼性を証する情報にとてもシビアなのです。
「この人の言葉なら信用できそうだ」
そう思ってもらえるようなプロフィールを改めて考えてみて下さい。