出版企画では章立ても提出します。章立て、つまり目次の項目ですね。
ところが、この章立てを考えるのがまた簡単ではないのです。
だいたいが詰まらない、興味がわかない、そんな表現になってしまいます。
そこで何回かに分けて、思わず読みたくなる章立ての考え方をお伝えします。
今回は「逆命令形」です。
たとえば、
上司は部下に毅然とするべき!
こんな表現の章立てがあったとします。
きっとそうなんでしょう。
なんとなく直感的に分かる文脈です。
まず抵抗は起きないにしても、それ以上の興味が湧いてこないのが問題です。
これを「逆命令形」で直してみます。
もう部下に媚を売るな!
簡単ですね。「毅然とする」という提案を逆に、しかも命令形にするわけです。
取って欲しい行動に触れないというのは、重要な言葉のテクニックです。
たとえば、
猫が甘えてきたら触りましょう。ではなく、猫が甘えてこない限り触らない。と逆から表現すると論が鋭くなります。
あえて触れないことで、読者自身が提案内容の重要性に気付きやすくなります。
命令形は、おそらく普段の会話であまり使われることはありません。
過去に耳にした経験があるとしたら親や上司など目上の人の言葉でしょう。
つまり命令形を聞くと、相手が指導者であるという感覚が自然と浮かぶんです。
どう行動して良いか分からないときは特に、命令形を求める傾向があります。
たとえば、
お金は貯めるよりも投資しましょう。
という章立ては何とも平凡な表現です。
金は貯めるな!投資しろ!の方が、より訴求力が増すのは感じるはずです。
もう一つ進化させると、
金は銀行に預けるな!
という逆命令の方が、提案したい内容に対する興味が増すのが分かりますか?
章立てが面白くない!と言われたら、工夫の一つとして使ってみて下さい