マーケティングでは、ビジネスの差別化には三つの軸があるとされています。
一つ目は手軽さの軸。簡単に、すぐに、誰でも、いつでもなど、手軽に価値が得られる点を差別化とする軸です。
外食業界でいうファーストフード、吉野家やマックの戦略と言えます。
二つ目は品質の軸。高くても良い商品、より嬉しいサービス質の高い価値を得られる点を差別化とする軸です。
これも外食業界で言うとしたら、ロイヤルホストのような存在です。
三つ目が密着性の軸。顧客一人一人の特性や事情に合わせた、個別性の高い価値が得られる点が差別化の軸です。
同じく外食業界で言えば、近所にある馴染みのお店、という感じでしょう。
いずれかで差別化の軸を絞ることが、ビジネスのセオリーとされています。そして、本の企画を考えるときも踏まえておいて欲しい基本の軸があります。
それは、手軽さの軸です。
三つ目の密着性の軸は、本という媒体では実現できません。なぜなら多数の方が同じ内容を読むのが前提だからです。
二つ目の品質の軸も、ビジネス書という分野では実現するのは難しいです。専門書ならば品質の軸で勝負すべきです。
が、ビジネス書の読者層は素人です。当然、中身の濃すぎる本は敬遠されます。
実際、売られている本のタイトルを見れば手軽さ軸の重要性が分かります。
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こんな感じです。
いつでも、誰でも、すぐに、簡単に。こういった手軽さのニュアンスがあることが本の企画の前提となります。
もちろん、手軽さだけで読者の悩みを解決することはできないでしょう。
本当に問題を解決するには、多少なり面倒な思考や行動も必要なはずです。
しかし、解決に向かう気持ちが生まれない限り、前進することはありません。
問題に取り組んでもらうには、面倒さを取り除いてあげる必要があるわけです。
いかに手軽さを演出するか?が企画の肝になります。自分の企画をどう手軽に魅せるか?をよく考えてみて下さい。