出版企画では章立ても提出します。章立て、つまり目次の項目ですね。
ところが、この章立てを考えるのがまた簡単ではないのです。
だいたいが詰まらない、興味がわかない、そんな表現になってしまいます。
そこで何回かに分けて、思わず読みたくなる章立ての考え方をお伝えします。
今回は「悪い言葉」です。
人は、道徳とか常識に反する極端な言葉にはとても敏感に反応します。
ネットの世界で拡散されるのは大半が悪口や失言など「悪い内容」です。
それだけ人が善悪で言うところの悪に、注目する性質があると言えるでしょう。
別の記事で説明した、焦り喚起や恐怖喚起の「最上位バージョン」です。
くれぐれも多用せず、使い方には十分気をつけて活用して下さい。
ブラック企業の勤務体制はひどい
という表現よりも、
ブラック企業の恐るべき「奴隷制度」
と表現した方が目を引きます。
相手の意見を覆す交渉テクニック
という表現よりも、
相手をねじ伏せるヤクザの交渉技術
という表現の方がインパクトあります。
「悪い言葉」のつくり方は、まず元の文で伝えたいエッセンスを強めます。
たとえば、
会社の勤務体制がひどい→人でなくモノのように扱われる
相手の意見を覆す交渉→どんな意見も力で屈服させる
という感じです。
強めた表現からどんな言葉が思い浮かぶか?あとは連想ゲームをします。
会社の勤務体制がひどい→人でなくモノのように扱われる→まるで「奴隷」だ!
相手の意見を覆す交渉→どんな意見も力で屈服させる→まるで「ヤクザ」だ!
人の心を鷲掴みにする話術→疑いなく信じ込ませる→まるで「詐欺師」だ!
この「まるで◯◯だ!」という閃きが、悪い言葉をつくるポイントです。
医者に殺されない47の心得
これは実際にベストセラーになった本のタイトルです。「殺す」という悪い言葉をうまく?活用していますね。
焦り喚起や恐怖喚起の記事でも言いましたが、この技術は多用は厳禁です。
悪い言葉は、読み手の恐怖心を煽る、とても瞬発力のある表現です。しかし、多用すると企画や本そのものに対してネガティブな印象が刷り込まれてしまう。
超激辛スパイスなので、もし使うなら一点集中。ここぞという章や項目にのみ、慎重に使うよう注意しましょう。
章立てが面白くない!と言われたら、工夫の一つとして使ってみて下さい。