こんにちは。ネクストサービスの松尾昭仁です。
今回はセミナーの参加者様からいただいたご質問について、
回答をシェアさせていただきます。
「本を出したい」という方からかこんな質問がありました。
「出版はしたいのだけれど、自分で1冊書き上げる自信がありません。
ライターを使う、というのはアリなんでしょうか?」
結論は・・・アリです。
ちゃんと調査したわけではありませんが、世に出ている
ビジネス書の6~7割はライターさんに手伝ってもらって
本が出ているのではないでしょうか。
でも、私は「最初の一冊くらいは自分の手で書き上げるべきだ」
と思っています。
ライターさんに手伝ってもらうと、本はラクラク書けます。
ホントに楽ができます(笑)
担当編集者とライターさんにインタビューしてもらい
それをもとに、ライターさんが最初の文章を書きあげます。
それに編集者の手が加わり、そのあと著者が赤入れ作業という名の
直しをしてもう一度、編集者へ。
その直しをまたまた著者がチェックして2度目の直し、
大体こんな工程です。
全部自分で書いてないのに著者っていえるのか?
と、思った方もいるかもしれませんね。
しかし、それでいいのです。
実際に誰が書いたか、著者が一人で書き上げたのか、なんて、
読者にとって、大きな問題ではないのです。
もちろん文芸作品なら話は別です。
村上春樹の小説は、実はライターが書いていた、なんていうのは
大大問題です。(あくまで例えですが・・・)
しかしビジネス書で大事なのは「誰が書いたか?」ではなく
「本の内容が読者の役に立つのか」(読み手の実利)であり、
ほとんどの読者は読む本の著者名を気にはしていないはずです。
構成や文章など書き方の面は専門のライターさんに任せて、
著者は専門家としての知識や経験を惜しみなく披露する。
そうです。ビジネス書の著者はコンテンツ提供者なのです。
ちなみに執筆をライターさんに依頼する(手伝ってもらう)場合、
その費用を直接、著者が負担するようなことはありません。
出版社が費用を負担するか(これは大物著者の場合いのみですが)、
大抵は著者印税の中からライターさんに支払うのが一般的です。
印税は減る(またはゼロになる)が、自己負担なくラクに本が書ける。
ライターさんってホントに素晴らしい存在なんです(笑)
しかし私はあえて「最初の一冊目くらいは自分で書く、書き上げる」
ことを強くオススメしています。
理由は単純。
一冊の本をつくるのがいかに大変か?を知ってほしいから、です。
弊社のビジネス著者養成スクールの卒業生の方も出版した後、
必ずこう言います。
「本を書くのがこんなに(想像以上)大変なことだとは思わなかった!」と。
そう。本当に、本当に大変な作業なのです。
章立て(目次)を考えていると「なんとなく書けそうな感じ」
はするものです。
しかし実際その中身を一字一句、書くとなると急に筆が、
いや、パソコンの指が止まる。何度も何度も止まるのです。
それを諦めず時間をかけて乗り越えて、ようやく出来上がる
のが一冊の本なのです。
この苦労を自分で一度も味わうことなくライター任せで
ラク、ラク本が出来上がってしまうと、どうなるでしょう?
一冊の本の重みや愛情が変わって(薄れて)しまうはずです。
十月十日(とつきとうか)お腹を痛めて産んだ子供だから
惜しみない愛情が注げるのと同じで、苦しみの上にやっとできた本
だからこそ、出版後も長く付き合えるのです。
それに最初の1冊すら自分で書かなければその後、2冊目、3冊目と
執筆の機会に恵まれても、ライターさんから上がってきた文章に
赤入れ(著者構成)することすら出来なくなってしまいます。
そういう(残念な)著者を私は何人も知っています。
こんな理由から、少なくとも最初の本はご自身で書いて欲しいと、
私は強く思うのです。