類書研究はとても大事だと、何度か他の記事でもお伝えしてきました。
しかし、研究する類書をどうやって選ぶのか?分からない場合もあるでしょう。
結論から言うと、実際に書店に行って棚を見ながら類書を探して下さい。
手っ取り早くアマゾンで目星を付けて、それを類書とするのは少々危険です。
なぜなら「その本が実は類書ではない可能性があるから」です。
たとえばあなたが、部下のミスを減らす問題解決法を企画しているとします。
アマゾンで「仕事 問題解決」と検索すると、たくさんの本が出てきます。
実際、こんな本がありました。
問題解決 あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術
はじめての問題解決力トレーニング 図を描けば本当の問題点が発見できる
似た本があった!と喜んで、その中の一冊を類書に設定したくなるでしょう。
しかし、よく考えて欲しいのです。これらの本の読者は誰なのか?を。
おそらく、自分の仕事で問題を減らしたいビジネスパーソンでしょう。
しかしあなたの本の企画は、部下の問題を減らしたい上司であったはずです。
つまり読者が違う、のです。
読者が違えばニーズも変わります。
この2冊は類書ではありません。
「同じ言葉がタイトルに入っている本」であって、類書ではないのです。
他人から見るとすぐ分かることです。しかし本人はなぜか見落としてしまう。
アマゾンは簡単に本を検索できてしまう分、こういった恣意的、自分に都合の良い勘違いを起こしてしまいがちです。
だからこそ現場に足を運んで下さい。
書店にあるリアルは嘘をつきません。恣意的な結果になりようがないのです。
実際、書店に行って「自分の本が置かれそうな棚」を眺めてみましょう。
そして「自分の本の隣に並びそうな本」が見つかったら、それこそが類書です。
ビジネスの特性上、アマゾンは売れない本でも在庫をストックしています。
しかし、あなたが研究するべきなのは、「売れている類書」の方です。
書店は、限られたスペースなので売れていない本はどんどん淘汰されます。
なので、書店ならば売れていない類書に目を惑わされることもありません。
書店に行って類書を探すことは、他にも多くのメリットがあります。
書店に行けば、いま売れている本からトレンドを読むことができます。
トレンドは売れ行きに影響します。どんな切り口で書くか?参考にして下さい。
入ってすぐ設置されている平台を見れば、どんなタイトルの本がイチオシされているか?も分かるでしょう。
書店に行けば、どの棚が混雑しているか?も自分の目で見て分かります。
テーマの候補が複数ある場合など、どの棚が人気なのか?が参考になります。
出版企画をつくる、と言うとどうしてもパソコンに向かって一人で取り組むイメージがあるかもしれません。
しかし本当に大事な情報は、書店のリアルからしか得られないのです。
企画の軸がなんとなく決まったら、とりあえず大きな書店に向かいましょう、