出版企画書でもっとも大切な要素は、おそらく強味・差別化でしょう。
強いとか弱いとか論じるには、比べる相手がいなくてはなりません。
それこそが類書です。ライバルであり、敵であり、参考書でもあります。
自分の企画と似たテーマの本が売れていて、かつ類書の欠点を埋める強味が自分の企画にはある、と証明するわけです。
しかし良い類書を引っ張ってこようとするせいか、時折、著名人や有名人が書いた本を類書にする方がいます。
よく考えてください。
もしその本が売れているとしたら、企画やコンセプトではなく、著者の方の名前で売れている可能性はありませんか?
生き方―人間として一番大切なこと
稲盛和夫
尾木ママ流 凹まない生き方
尾木直樹
老いてこそ人生
石原慎太郎
例えばあなたが人生論や生き方に関する損を企画したとしましょう。そして、これらの本を類書に剪定したとします。
さて、これらの本が売れているとしたら、それはなぜですか??
まず間違いなく、著名人が書いた本だから、という理由になるはずです。
あなたが書いた同じテーマの本が売れる!という理屈は無理があるのです。
社会的に無名な著者が書いた本で、売れている類書がたくさんある。
だとしたら、あなたが書く同じテーマの本も売れるかもしれません。
類書を記す目的、その役割を意識して、類書研究を行ってくださいね。