今回は「絞り込みがいかに重要か?」についてお伝え致します。
コンサルの現場で必ず話題になるのが「顧客ターゲットの絞り込み」。
「狙っていくお客様を絞りましょう!」
と言うと大体の方がこう反論します。
「でもターゲットを絞り込むと、客が減るのでは?」
しかし、これは致命的な勘違いです。
絞らなければコアなお客様は増えません。
突然ですが、あなたが無性に豚骨ラーメンが食べたくなったとします。
とにかく豚骨ラーメンが食べたくて仕方ない!
おいし~い豚骨ラーメンが食べたくて、仕事も手につかない心境だとしましょう。
やっとお昼になり、あなたは豚骨ラーメンを求めて外に飛び出しました。
さて、目の前に二つのラーメン屋があります。
一つは「いろんな味のラーメンを取り揃えた百貨店的なラーメン屋」。
もう一つは「豚骨一筋30年、豚骨ラーメンの専門店」です。
さて、あなたはどちらのラーメン屋に飛び込むのでしょう?
まあ普通は迷わず豚骨専門店に入りますよね。
だってあなたが食べたいのは「豚骨ラーメン」なのですから。
これは醤油ラーメンでも、味噌ラーメンでも同じです。
それを食べたい顧客はそれぞれの専門店を選ぶのです。
そして、この絞り込みの原理原則はどの業界でもどんな商品でも同じなんです。
事実、百貨店(デパート)という「顧客を絞り込んでいない」業種の市場はどんどん規模を縮小し続けています。
唯一、売上を伸ばしている京王百貨店は「50歳以上のシニア」に顧客ターゲットを絞って高収益を出し続けていると聞きます。
だからこそあなたも狙っていく顧客ターゲットは絞らなくてはならないのです。
弊社のビジネス著者養成スクールを卒業された方の例で説明します。
『働きながら60歳で慶應義塾大学を卒業した私の生涯学習法』の著者、
大森静代さんは高校時代に大病を患い、勉強が好きだったのに大学進学を諦めたという過去があります。
就職し結婚、しかし2年で離婚。
女手一つでお子さん2人を育て上げ、48歳で慶応義塾大学の通信課程に入学されます。
働きながら家事をしながら勉強する日々。
何度も挫けそうになりながら、卒業率わずか3%という超難関を乗り越えて、60歳で慶応義塾大学を卒業。
「いくつになっても何かを学ぶのに遅いことはない」を信条に、現在は生涯学習アドバイザーとして活躍されています。
「いくつになっても何かを学ぶのに遅いことはない」よく聞く言葉かもしれません。
しかし、大森さんほどこの言葉を語るに相応しい方はいない。
そう思えるほど、とにかく学ぶ意欲が凄いのです。
大森さんは、今年でなんと古希(70歳)を迎えられました。
先日、初めてご出版されて
「これが遺作にならないように、2冊目も頑張ります!」
と、笑うには一瞬、躊躇してしまいそうなシャレをおっしゃる、心身とも超元気なスーパー70歳なんです。
当初、大森さんの企画は
「ターゲットが少なすぎるのではないかと?」
と私も編集者も少々心配していました。
カテゴリーは「勉強法」なのですが、ターゲットはあくまでシニア・シルバー層です。
「学業に未練があって、これから新たなことを学びたいと思っている50代以上の方」がそれほど多いとは思えません。
しかしそんな心配をよそに、大森さんの本は売れているとのこと。
勝因はやはり「ターゲットの絞り込み」にあったと言えます。
確かに、読者ターゲット総数は少ないと思います。
しかしその分、読者ターゲットを引き寄せる力(コアなニーズ)がとても強かったのでしょう。
いかがでしょう、「絞り込みがいかに重要か?」が伝わりましたか?
ビジネスでも出版でも、本質は同じです。
あなたが狙っていく顧客ターゲットは絞ってください。
そしてあなたがいつか本を出したいと思っているなら、
「読者ターゲットをどう絞るか?」をしっかりと考えましょう。